外反母趾と耳鳴り

BiNIリハビリセンター長野(ソナ)の佐竹です。

かなり奇抜なタイトルですが、機能的なオーダーメイドの足底板「オーソティックス」を作成したクライアント様をご紹介いたします。この方は両足(特に右足)に胼胝と圧痛があり、血流の低下から冷えも生じておりました。足の状態を拝見すると、両足の親指が外反母趾になっていました。さらに足の筋力を確認していくと、右足の後脛骨筋という土踏まずを保持するために筋肉の働きが著しく低下していることに気がつきました。これは後脛骨筋腱機能不全症といい、土踏まずを保持することができず、内側縦アーチが低下、踵が内側に倒れて足全体のバランスを崩してしまいます。この踵が内側に倒れてくることで外反母趾を進行させます。

右足の踵が内側に倒れている
外反母趾(特に右足の変形が強い)

さらにお身体の症状を詳しくお伺いしていくと、両耳に耳鳴りが生じていることがわかりました。音は低音域で常に耳鳴りがして日常生活や仕事にも影響を及ぼしている状態です。驚きかもしれませんが、頭や首の不調には足の状態が密接に関わっています。特に親指周辺の変形(外反母趾)や胼胝・巻き爪は影響が強い傾向にあります。そのため、頭や首に対するBiNIアプローチと併用してオーソティックスを作成し、足に対してもフォローを行いました。

オーソティックスを作成するにあたり、右足に関しては「後脛骨筋腱機能不全」に対応する「PTDデバイス」というオプションを付加したものを作成いたしました。特に右足は不安定性が強かったため、安定性を補償するものになっています。

右足(画像左) PTDデバイス+前足部ポスト
右足 PTDデバイス(土踏まずをサポート)

挿入から半年経過し、外反母趾が軽減され、足裏の胼胝の圧痛も感じない程度に消失しました。また、外反母趾の改善とBiNIアプローチにより耳鳴りが軽減され、日常生活や仕事中にはほぼ感じなくなりました。

踵の傾きが改善
外反母趾の改善

このように改善が認められました。

日々の臨床で、お身体の不調が足元から引き起こされていることを多く経験いたします。以前のコラムでもありましたが、日本人の7割が足部に何らかの問題を抱えています。

ご自身の健康のためにも『足のこと』少し考えてみませんか?