【脊柱管狭窄症・克服のすゝめ】④脊柱管狭窄以外の原因と我々の対応(静脈叢と呼吸)

このシリーズコラムでは、脊柱管狭窄症の症状改善に我々がどのようにお力になっているかをご紹介させていただきます。

第四回目は「脊柱管狭窄以外の原因と我々の対応(静脈叢と呼吸)」に関してです。

 

前回のコラムで、脊柱管にある静脈叢の流れが滞ると、滞った部分より上部は膨れ上がり、血管から水分がもれだしむくんで脊髄を圧迫してしまう可能性があることをお話しました。

そうしますと、滞ったところよりも上のレベルの神経症状がでてしまうはずです。

前回のコラムはこちら

 

とにかくこの静脈は滞ることなく良く流れた方が良さそうです。

 

脊柱管内の静脈叢を下に向かって流れた静脈血は、最終的に下図で青く描かれた下大静脈を上に向かって流れて心臓に戻ります。

動脈は心臓のポンプで送り出されますが、静脈はそのようなポンプはありません。

しかし、心臓がある胸腔(肋骨で覆われた心臓や肺が入っている部分)は特殊な機構になっていて、吸気(息を吸う)で横に下に広がって体積を増やせる構造になっています。

胸腔の体積が広がると、胸腔内の圧力がマイナスになってストローで吸うようにバキューム力が働いて静脈血は心臓に吸い寄せられてきます。

こちらは体積を広げるとバキューム力が働いて外から空気が入ってきて風船が膨らむことを示している動画です。

ですので、吸気(息を吸う)の力が強いほど、脊髄の周りにある静脈叢の静脈血も良く流れることは想像に難くありません。

 

胸腔の体積が広がるためには、胸腔の柔らかさはもちろんのこと腹圧が重要になります。

上の図の左側の矢印は、息を吸うときの筋肉(横隔膜)が収縮した時の動きの方向です。

横隔膜だけが収縮すると、胸腔は横に広がらずにむしろ横幅が狭くなってしまいます。これでは胸腔の体積が十分に広がらないのでバキューム力が働きません。

しかし、腹圧が保たれていると(上図の真ん中)、横隔膜が収縮したことで胸郭が横に広がる力が発生します(上上図の右側)。

 

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コラムのシリーズにはご自身で行っていただける方法も、いくつかご紹介いたします。

 

(文責 山岸茂則)