脳梗塞のリハビリ ~問診はやはり大切ですね

先週、7回目にしてはじめて麻痺手を伸ばす動きが、ご自分の意志ではっきりと出現した方がおいでになりました。いつも奥様と一緒にお越しいただいているので、奥様にもご覧いただくことができました。

喜んでいただくのは本当に嬉しい瞬間です。まだまだ機能改善するはずですので、今後も精一杯拝見させていただきます。

BADという脳梗塞のタイプ(微小な梗塞であるラクナ梗塞と脳の血管の動脈硬化でおこるアテローム血栓性脳梗塞の中間のようなタイプ)の方ですが、足よりも手腕の麻痺が重度です。初めていらしたときは、麻痺手が若干浮腫んでいたり、痙縮というごわばりが手腕にありました。

いままでご紹介してきました、①うつ伏せでのバタバタ腰かけてのCOPオシレーション  などを行って、6回目までには浮腫みは無くなり、こわばりもかなり減ってきました。しかしまだはっきりと手指をご自分で動かすことはできておりませんでした。

この方がご自分の意志で手を伸ばす動き出現して、はっきりとした改善を示す大きな突破口になったのが、問診でしたので7回目のやりとりを少しまとめさせていただきます。

7回目お越しになった時に、久しぶりに麻痺側の手や肘が曲がった状態でお越しになりました。こわばりが強いようです。

ご本人は「今日は寒いせいか、手の痙縮が強いですね~。一進一退なんですかね~。」

一進一退では困ります。少しずつでも確実に改善していっていただきたいのです。

ここでお話を詳しく伺うことにしました。脳梗塞などの神経のお病気以外では、詳しくお話を伺うことで信頼関係を築きつつ行うべき検査や施術を決定していく問診にはかなりの時間を割きます。おそらく我々の評価の中では、改善という結果のために最も大切です。

私は、脳梗塞などの神経のお病気であっても、壁に当たった時の突破口として最も強い効力を発揮するのが問診であることを経験的に理解しています。

色々とお話を伺っていると大変参考になることが伺えました。

まずご本人から①「朝起きると、勝手に肘や手指がしっかり伸びていることが多い」とのこと。

私たちは睡眠中も無意識に身体を動かして寝返りしてますよね。もしかしたらこの方、睡眠中に体が勝手に動いて良いリハビリになってるんじゃないかと思いました。

そして奥様からさらに重要な情報が・・②「寝不足だと痙縮が強くなりやすいみたいですね。昨日も鼻が詰まって寝不足みたいです。

過剰な努力や不快な刺激は痙縮を強めてしまいます。どうも鼻が詰まって入眠が上手くいかないことは、お病気前からしばしばおありだったようです。

仰向けに寝ておられても口呼吸になっておられることが多いのを確認しました。拝見すると頭の骨の中にある副鼻腔(下図)周辺の組織が硬さがありました。

睡眠時の不快が痙縮を強めてしまって、睡眠中のリハビリを阻害していたようです。

睡眠は、機能の獲得にとても重要であることもわかっています。

そこで副鼻腔周辺の組織に対してBiNIアプローチを行っていくと徐々に鼻が通り口が閉じた状態でスヤスヤと眠り始められました。

そこで麻痺手腕が緊張しない位置で支えて待っていると、「麻痺した手腕が勝手に動き出しました!」まだ重力に逆らって動かすほどの力は出ていませんが、しかしはっきりと力強い動きを確認できます。

私はその動きを支援するようについていき続けました。手が上にあがったり、反対の肩の方に動いたり、外に開いたりととてもダイナミックに動きます。それについていきながら時折、指を急速に軽く曲げて指を伸ばす筋肉に刺激をしていきます。

そんな刺激を30分ほど続けていきました。

そして「指を伸ばしてみてください!」とお願いすると、はっきりとした動きが初めてみられました。

3人で喜びを共有できました。

これを突破口にまだまだ大きな改善のお手伝いができそうです。

 

 

脳梗塞後のリハビリは、BiNIリハビリセンターにお気軽にお問い合わせください。(身体デザイナー 山岸茂則)

身体デザイナー

 

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