【統合的運動生成概念】運動器の連続性

コラムで統合的運動生成概念,今回は,運動器の連続性についてお伝えしてまいります。

「Anatomy trains」という本は,リハビリテーション業界では有名ですので,みなさんご存知かと思います。

以前から,筋連結に興味をもち複数の筋につながりがあるという認識はしておりましたが,

「このように広範囲にわたるつながりがあるのか」と大変驚きを覚えたのと同時に,

臨床で感じていた「介入箇所とは別の場所が変化する」事象を説明できるのではないかと

とてもワクワクしたことを覚えています。

しかし翌年,著名な理学療法士T先生の「結局みんなつながっているのだけどね」の一言で,

その真意を全く理解できない私は,筋骨格系の解剖学書とにらめっこの日々をしばらく強いられました。

そしてやっと至った結論,

それは「固有の筋の線維が直接別の筋の筋線維と連続することはない。しかしその筋を包む筋膜は比較的強い層の連結をもって別の筋膜とつながりをもったり直列的に全身を覆っているので,筋は筋膜を介して全てつながっていることになる。」ということでした。

さらに筋膜は骨膜や関節包へも連続的につながりをもっています。

では,運動にそのような事実がどのような影響を及ぼしているのでしょうか?

そのひとつは構造的シナジー効果であり,

もうひとつは筋膜系の緊張による運動軸形成であると考えます。

筋は筋膜系組織によって間接的に構造的なつながりをもつ以上,

ひとつの筋の活動が筋膜系のつながりを介して伝搬するということになります。

この伝搬は筋連結部分で特に強くなるように思われます。

また,コアスタビリティーの向上により,

トレンデレンブルグ歩行やデュシャンヌ歩行が寛解または消失することは良く経験します。

胸腰筋膜を含むコアを形成する筋の筋膜は大腿筋膜に移行しますが,

この大腿筋膜が外側で肥厚した部分を腸脛靭帯といいます。

したがってコアの活性化による下部体幹の筋膜の緊張は腸脛靭帯を緊張させます。

この筋膜系の緊張が結果的に股関節外転力を形成することが一要因ではないかと推察しております。

筋連結とは?

異なる筋の筋線維が直接的に連結するわけではなく,

それぞれの筋線維の先端同士が,

腱,各種の筋膜,筋間中隔,骨間膜,関節包,靭帯を介して接続することをいいます。

例えば大内転筋の一部は大腿内側筋間中隔に停止します(この停止部分の筋間中隔は別名,広筋内転筋板と呼ばれ,長内転筋の一部も停止する場合がある)。

そしてその大腿内側筋間中隔は内側広筋斜頭の起始部となります。

このように筋膜系組織を介して筋線維がつながっている場合は,

その2つの筋のうちどちらか一方の張力が,

間接的にもう一方の筋の張力に強く影響を与えることは想像に難くなく,

膝の努力的最終伸展に股関節内転を伴いやすい臨床像と合致します。

 

筋膜は筋出力に影響を与える

カエルの大腿に存在する膝屈筋と膝伸筋を境界する深在筋膜を切離することにより,

生体内筋長範囲における膝伸展筋(カエルにおいては大腿三頭筋)の張力が約10%低下することがわかっています。

筋膜の存在やその緊張バランスは筋出力に直接影響を与えるようです。

筋膜という結合組織への介入は筋出力に直接的に影響を及ぼす可能性が高いと思われます。

筋膜切離が緊張力に与える影響 文献1)より 引用

1)石井禎基・他:筋膜による筋間連結の機能的役割-ウシガエル膝伸筋を用いた研究,理学療法学40(1),16-23,2013..

 

BiNI COMPLEX JAPAN 舟波真一でした。

 

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