【統合的運動生成概念】
動歩行に絶対必要な力,「慣性力」

みなさま,おつかれさまです,舟波真一です。

コラムで統合的運動生成概念,本日は「慣性力」について考えていきます。

慣性力が円滑な運動生成を実現

通常,我々が行う準動歩行においては片足の支持基底面内に一度も身体重心が収まることはありません。

舟波真一

もし片足の支持基底面上に身体重心を収めながら歩くと身体重心の移動は左右に大きくなり,

動作の円滑さは失われてしまいます。

しかし,片足の支持基底面に身体重心が収まらないで運動をおこなうということは,

「なぜ転倒しないだろうか?」という素朴な疑問を感じると思います。

歩行に限らず様々な動作で支持基底面内に身体重心を収めることなく,

身体重心の移動を最小限にする仕組みが使われていますが,

これを実現しているのが「慣性力」という加速度と逆向きにはたらくみかけ上の外力なのです。

下図のように,単脚支持期では支持基底面に身体重心が収まることはありませんが,

赤矢印の慣性力という力が立脚側方向に身体重心を引き付けてくれるので転倒しないのです!

舟波真一

 

加速度は力である

加速度とは1秒間に速度がどれだけ変化したか?というものであり,

加速したときには進行方向に向かって加速度が発生し,

減速したときには進行方向とは逆向きに加速度が加わることになります。

舟波真一

物体がどんなに速い速度で移動していたとしても,

速度の変化がなければ加速度は生じていないことになります,つまり加速度は0です。

物体を同じスピードで押していたとき,

押すスピードを急に速くするとより強い抵抗感を感じますよね?

それが慣性力の仕業です。

物体を押すスピードを速くするということは,

その物体が進む方向に加速度を加えたことになります。

よってこの加速度に相応したと反対向きの力(慣性力)をうけることになるため,

これによって抵抗感を感じるのです。

ニュートンの力の法則(F=m×a)から,力は物体の質量と加速度の積であり,

質量のある物体に速度の変化が生じると質量を超える力が発生することがわかっています。

まさに,加速度は力なんです!

 

慣性力とパワートランスファー

通常,我々が椅子から立ち上がるときは,

両足部で形成される支持基底面内に身体重心が収まる前にすでに離殿が生じていますが,

これにも慣性力が大きく寄与しています。

立ち上がりの最初のフェーズでは,

体幹前傾によって身体重心が前方に移動しますが,

この体幹前傾に急速にブレーキをかけて減速することで,

身体の前から後ろに向かって加速度を発生させています。

これにより身体前方に向かう慣性力が生成され,

その力が身体重心を後ろから前へと押し出してくれるので,早期から離殿することが可能となるのです。

舟波真一

また,このとき体幹前傾にブレーキをかけるのは股関節伸展筋であり,

この活動によって股関節運動は固定されるため,慣性力は膝の伸展にパワートランスファーされます。

 

慣性力生成のために

このように,慣性力が生成されることで身体重心移動を最小限に抑え,

素早く効率的な動作を提供することが可能となるのです。

この慣性力を生み出すためには「加速度」が絶対的に必要になるので,速い筋収縮が要求されます。

つまり筋力でなく筋パワーがより重要な要素となる。

パワーとは,力と速さの積で表すことができます。

 

BiNI COMPLEX JAPAN 舟波真一でした。

 


 
痛みや麻痺にお悩みなら、
バイニーリハビリセンターにご相談ください。

お問い合わせフォーム

  • お名前 (必須)


  • ふりがな


  • お問い合わせの種類 (必須)


  • お問い合わせ先施設


  • あなたのお立場 (必須)


  • 電話番号 (必須)


  • メールアドレス


  • ご住所


  • お問い合わせ内容 (必須)