統合的運動生成概念を図を用いてまとめます。

みなさま,おつかれさまです,舟波真一です。

コラムで統合的運動生成概念,それを図に表しながら簡単にまとめてご説明いたします。

舟波真一

Shumway-Cookらが書いた,「モーターコントロール」というリハ業界では有名な本から引用しますと,運動制御理論では,運動は,運動課題,環境,個体の相互作用から生じるとされています。

運動制御にかかわる研究が目指すところは,運動の本質,そして運動がどのように制御されているかを明らかにすることであり,運動の根幹的メカニズムを統制もしくは指揮する能力と定義されています。

しかし,以前のコラムでも述べたように,何が何を統制し指揮するのか,一方向的に考えることは,「生きている」という生命の動的秩序を本質的に語るにはどうしても無理が生じてしまうと,我々は考えております。

人の動きを理解するには,やはり「複雑系」という新しいシステムの捉え方までも取り入れる必要があると考えます。

我々は,生活の質にも直結する運動課題と外的環境との相互関係を踏まえたうえで,人という個体,身体という構造をもっと深く掘り下げていく必要性を概念の根本に据えました。

これは,この地球という環境下で一様に与えられている重力というエネルギーによって成り立つ,

力学的法則に立脚する「身体」を熟考することです。

我々は,地球上の力学的法則から逃れることは出来ません。

身体に働くこの法則性を十分に理解することが重要であり,この力学的法則こそ,身体を通して中枢神経系に入力される「感覚という名の電気」になります。

そして身体とは,精神・心理など心の在りようも包含したものであり,

固有結合組織による連続性をもった,いち構造体であることを踏まえなければなりません。

その結合組織は,脳や脊髄も包んでいますので,人はすべての器官がつながっている,いち構造体なのです。

そして,人が「生きている」という動的なシステムならば,

生命活動に必要なエネルギー供給系も忘れてはならぬものです。

TCA回路による効率的なエネルギー生産を可能にしているのが呼吸ですが,この呼吸も運動です。

我々がほとんど意識していない,制御していない運動のひとつです。

栄養を摂取するという活動も運動であり,咀嚼・嚥下運動も私たちがほとんど意識しない運動です。

循環も運動であり,リズムを刻んでいる鼓動があることだけから考察しても,身体におけるCOGとCOPが厳密に一致することなく振動していることを説明できます。

人の身体構造を形成している細胞一つとっても,量子力学から考察すれば静止していることはなく,自己組織的に変化しています。

「個体」と安易に言ってしまうのではなく,細部に至って中身を検証していく事が統合的運動生成概念において重要視していることであり,そこに,われわれ臨床家が蓄えてきたエビデンスといえる新しい法則性を加えることで,人の運動生成の本質に迫ろうとする概念でありたいと考えております。

概念図では運動の法則性として我々が提唱している「螺旋性の法則」,その螺旋軸が,向かって左上から右下の運動軸として記載しています。

心や運動が「変化」したならば,そこには必ず「力」の作用があります。

その力を考える学問が「力学」です。

神経も,身体も,環境も,いつも変化しています。変化に富んでいます。

ということは,そこには何らかの「力」が働いているわけです。

その「力」とは何なのか?考える学問が「力学」です。

特に人間に関していえば,解明されていない部分も多いので,

「非線形力学」からも考えていかなければなりません。

つまり,バイオメカニクスと神経科学を切り離して考えようとすることこそ,ナンセンスなんです。

その力学を,臨床に汎化して考える,臨床に落とし込んで考えだされたのが

「統合的運動生成概念」のなのです。

すべてのリハビリテーション従事者が享受できるよう,

養成課程にも,卒後教育にも組み込んでいく所存です。

今後とも,よろしくお願い申し上げます。

 

BiNI COMPLEX JAPAN 舟波真一でした。

 


 
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