地球という環境,その力学的法則を考えます。

みなさま,おつかれさまです,舟波真一です。

コラムで統合的運動生成概念,本日は「地球上での力学的法則」について考えていきます。

物質(質量をもつもの)どうしは互いに等分の力で引き付け合おうとする性質をもちます。

そして2つの質量の合計が大きいほど,また2つの物体の質量中心間の距離が近いほど引き付け合おうとする力は強くなります。

たとえば,同じ質量の物体同士でも距離が近づくと引力は大きくなります。

また距離が一緒でも,2つの物体の質量の合計が増えると引力は大きくなります。

我々のまわりで最も質量が大きい物体は,言わずと知れた地球です!

地球はおよそ6.0×10の24乗 kgという途方もなく大きな質量をもっています。

我々人も質量がある以上,引力形成に寄与しているわけですが,

地球の質量に比べたらとるにならないものであり,その影響はごくごく微々たるものです。

この途方もない地球の質量によって,人と地球は重力という引力で互いを引き付けようとしています。

人はまさにこの地球における重力の恩恵にあずかって運動をしています。

「もし重力が全く存在しない広大な空間に投げ出されたら」と想像してみてください。

物体を地面に引き付けてくれている力は存在しないので,

あなたは投げ出された方向と速度を,そのままずっと維持して宇宙を進み続けてしまいます。

手足をバタバタさせて身体重心を動かそうとしても,おおよそ十分な重心移動などできません。

あきらめかけた時,

運よく進行方向に大きな壁が現れたので,あなたは必死にその壁を利用して投げ出されたときの方向へ進み続けるのを止めようと試みるでしょう。

しかし壁にぶつかると,あなたの体の弾性によってあらぬ方向に跳ね返ってしまいます。

そしてあなたは跳ね返った方向へとまた進み続けることになってしまうのです!

なんと恐ろしい話でしょう(>_<)

ここで,「慣性の法則」を紐解いていきます。

ニュートンが整理した運動の第一法則であり,

「すべての物体は,外部から力を加えられない限り,静止している物体は静止状態を続け,運動している物体は等速直線運動を続ける」というものです。

したがって無重力場において放り出された物体は,そのままいつまでも放り出された方向に同じ速さで進みつづけます。

地球においてもこの法則は適応されますが,

放り出された物体は重力によって地面に引き付けられているため,

地面との摩擦力によっていつかは運動を停止することができます。

では,「重力」ってどうして生まれるのでしょう?

アインシュタインの一般相対性理論によれば,重力とは時空の歪みです。

これは光の軌道でさえも重力で曲がることを意味しており,既に観測によって証明されています。

この時空の歪みが重力であるとすると,

どうして質量に関係して時空はゆがむのでしょうか?

そもそも質量はどのような仕組みで発生するのでしょうか?

どのような法則もそのメカニズムを突き詰めていくと「本当のところはよくわからない」にいつかは行き着くように思います。

しかし詳細なメカニズムは不明であったとしても,

「こういう時はこうなる」といった法則は普遍的であるために我々はそれを様々なところに活用することができます。

ですから,我々は,

「人の運動生成における法則性を探求し,それを治療に応用しようとする姿勢」

を常に持ち続け,リハビリテーションを標準化したい!と考えているのです。

力学的法則は地球のみならず宇宙に共通するものであると考えられています。

しかし,我々が住む地球においては重力が存在するので,

重力の影響を大きくクローズアップして考慮する必要があります。

①重力という外力が存在し地球に対して我々を引き付けてくれている。

②我々を受け止めてくれる地面が存在するために床反力という外力(反作用力)が発生する。

③重力の存在から「高さ」は落下運動のエネルギーとなりうる。

このことから,「作用・反作用の法則」を考えます。

ニュートンが整理した運動の第三法則であり,

「力が相互作用によって生じるものであり,一方が受ける力と他方が受ける力は向きが反対で大きさが等しい」というものです。

我々が床反力を受けて運動しているということは,

人という物体と地球という物体の力の相互作用としてとらえることができます。

人が地球(地面や床)を押す力と,全く逆向きから同じ力で押し返す力が発生していますが,

これを「床反力」と言います。

したがって床反力は,人が地面に対してどのように力を作用させたのかを反映しているのです。

では次に,「力学的エネルギー保存則」をひも解いていきます。

高さは潜在的なエネルギーをもつことになり,これを位置エネルギーといいます。

位置エネルギーをもつ物体は,重力という外力により自由落下し運動エネルギーを発生させます。

自由落下のスピードは落下するほど早くなり,

運動エネルギーを増大させますが,その分,高さは低くなるので位置エネルギーは低下します。

力学的エネルギー保存則とは,

「位置エネルギーと運動エネルギーの和は常に等しい」というものです。

最後に,「力の法則」について考えていきます。

ニュートンが整理した運動の第二法則であり,

F(力)=m(質量)×a(加速度)というものです。

誰もが知っている公式であり,非常にシンプルで美しい公式ですよね。

ニュートン力学第一法則,慣性の法則を公式化したものです。

質量は力であるということと同時に,物体の動き(速度)の変化もまた力であることを物語っています。

私たちも,その存在だけで力を発揮していますし,そこに変化が起きれば,力が存在していることになるのです。

好きな人が変わる,変化する,と言う事でさえ,そこには何らかの力が加わったという事なんですよ!

理学療法士らしく,人間の歩行で考えますと,

立脚初期および後期は体重以上の反力を受けていることがわかっています。

これは,立脚初期(床に足を着いたとき)に一瞬生じる運動のブレーキ(減速)が,

立脚後期には運動の推進(加速)という加速度がそれぞれ積算されることによって起こるものです。

このことから,いわゆる全荷重歩行では体重の1.2倍程度の鉛直床反力をうけるということになるのです。

万有引力の法則,ニュートンの運動の法則,力学的エネルギー保存則,角運動量保存則などの力学的法則からは,誰も逃れることは出来ません。

たとえば,支持基底面外に身体重心がある状態で立位を維持することは,

なんらかの支えがない限り不可能なのです。

その法則性に関しては,比較的理解が進んでいますので,

人の運動生成の考察において「力学」はその基盤となる学問であることに疑いの余地はないのです。

 

BiNI COMPLEX JAPAN 舟波真一でした。

 

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